「小さな花に命感じて」 4年1組
柴田 裕美子 先生(1回 ボタニカル・アーティスト)
柴田 裕美子 先生
ボタニカル・アーティストの柴田裕美子先生が「ボタニカルアート」という絵を描く技法を通じ、小さな花にも命が宿っていることを感じてもらいたいと、実際のスケッチを通じて授業を行った。
「ボタニカル」=「植物学」という意味で、正確に、細密に、原寸大で描く芸術である。15世紀から17世紀半ばのヨーロッパでの大航海時代に植物の研究が必要だったものの、当時は写真という技術がなくこうした絵が欠かせないものであった。そこから進化してきたものが「ボタニカルアート」である。
子ども達は今までに学んだことのない技法を教えてもらい、いつも以上に集中して題材(柿)をルーペで観察していた。
そして、柴田先生が子ども達に最初に語ったのは「友達って大事だよ」ということであった。卒業して何十年も経っても当時の友達と繋がりがあるという先生からの「今特別に仲が良いわけではなくても、友達みんなとの繋がりを大事にしてほしい」という言葉が、子ども達にとっては何よりのメッセージとなったのではないだろうか。
「言葉のキャッチボール」 4年3組
岡村 智美 先生(16回 女優)
岡村 智美 先生
女優の岡村智美先生が心のかようコミュニケーションについて授業を行った。
クラスの友達同士で考えたオリジナルのニックネームを用意して、岡村先生との対面の瞬間を迎えた。まずは、ニックネームを呼んでもらい、特技などをご披露しながらコミュニケーションをはかり、心のキャッチボールができたところで、岡村先生が日頃、芝居の稽古などでされている方法で、言葉のキャッチボールの実践を開始した。
友達同士、挨拶の言葉とともにドッジボールをパスしたり、ボールとともに届く友達の好きな動物を聞き、感想を述べた後今度は自分の好きな動物を次の友達に再びボールとともにパスなどを実践した。
子どもたちは、「聞く」「話す」「投げる」の3つの活動を一度にすることに四苦八苦。伝えたつもりでも言葉が届かなかったり、聞いたはずなのに感想を伝えられなかったりと、言葉のキャッチボールの難しさ、また、難しいからこそ伝わった時の喜びを体感した。
最後に、「伝わるために重要なことは、言葉そのものだけでなく、『心』や伝えたいという気持ちや姿勢である。」というプロの言葉を聞き、これからのコミュニケーションの在り方の大きな道標を子どもたちに伝えた。
「海の100不思議」 5年1組
武田 重信 先生(14回 長崎大学 水産学部教授)
武田 重信 先生
長崎大学水産学部教授の武田重信先生が、地球になぜ海が誕生したのか?海水はなぜ塩辛い?深海の酸素は無くならないのか?エビやカニの幼生はどんな形をしているか?魚が獲れる場所は何で決まる?海は地球の温暖化とどのように関わっているのか?などなど、海と海洋生物に関する様々な疑問を、子どもたちと共に解き明かしていった。
また、子ども達の持つ「渦潮はどうしてできるのか」「魚は夢を見るのか」「海の塩を取り出すとどれぐらいの重さになるのか」「温暖化で界面が上昇することで、魚に影響はあるか」などの海に対する様々な疑問をグループ化し、分かっていないことに対してはどのように考えて行けばよいのか、その取り組み方についても、指導した。
先生が持参した隕石を手に取らせてもらい、また薬品を使っての変化を見たり、スライドで実際の研究風景を見たりと、盛りだくさんの内容であった。海から始まり、生物学や地質学も含む先生のお話に、学問の奥深さを感じる時間となった。
「脳神経外科」 ~脳の解剖から手術の実際まで~ 5年2組
田村 雅一 先生(15回 高知大学 高知大学医学部講師)
田村 雅一 先生
高知大学医学部講師の田村雅一先生が、脳の模型をもとに脳の構造を学び、脳梗塞、クモ膜下出血、脳腫瘍、狭窄症、水頭症といった脳の病気について授業を行った。
大学生の中でも医学生しか学ばないような内容で、資料も大変難しかったが、子どもたちは真剣にメモをとりながら聞いた。実際に手術で使うピンセットを用いて、顕微鏡を見ながら手術糸を結ぶ体験は、ことのほか楽しかったようである。
「この練習だと失敗できるけど、本当の手術だったら失敗できない」子どもたちは、単なる知識以上の大きなものを学んだようである。